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2009年12月

糖尿病治療の大変革(読売新聞より)

糖質制限が糖尿病の治療になるということが大きく取り上げられています! 

主食抜きの大変革

糖尿病治療の世界にいま、大きな変革が起きようとしている。米、砂糖、イモ類などの「糖質(グルコース)」摂取を極力制限した食事療法だけで、薬を使わずに患者の血糖値が正常値に戻るという。発信元は京都市、高雄病院の漢方医療のベテラン医師たちだ。

 「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)の著者、江部康二・高雄病院理事長(59)は、「食後、血糖値が急上昇する現象が糖尿病の悪化を招く。原因は糖質の多量摂取で、制限すれば自然に血糖値は安定する」というのだ。

 きっかけは1999年、兄の江部洋一郎・同病院長(61)が糖質制限食事療法に挑戦したことだった。「精製した穀類や砂糖を多量に食べる一方で、運動量が減ったのは、人類の歴史でも20世紀以降のこと。糖尿病が増えたのも同時期。ならば以前の伝統食に戻したら」という発想だった。入院中の糖尿病重症患者に献立を変えてもらったところ、1週間で空腹時血糖値が改善、3か月後には正常値に戻ってしまった。

 3年後、今度は江部康二さん自身が糖尿病と診断され、制限食に挑戦、同じく成果が出た。67キロだった体重は56キロに、血圧、食後血糖値などいずれも改善し、威力を如実に体験した。

 糖尿病の食事療法は従来、脂肪など総カロリーの制限が中心だった。「私も医学界の常識にとらわれ、糖質制限など全く信じていませんでした。糖質を制限すれば、高たんぱく、高脂質な食事になり、血管障害、大腸がん、乳がんなどのリスクが高くなる、というのが定説だったのです」

 ところが2006年、米国の5万人追跡調査が、これを否定する結果を報告。また糖質制限がダイエットやコレステロール改善にも貢献することが確認され、糖質制限療法がにわかに注目を集めている。

 江部さんは「野菜、肉魚などおかず中心で、お酒は蒸留酒を、お菓子やジャンクフードはできるだけ避けて」という制限食レシピの著作を出す一方、各地の医師や患者団体の勉強会で、食事療法を伝道して歩く。

 高雄病院は70年代から生薬を使った本格的な漢方医療を行っている。京都大学の呼吸器科勤務医だった江部さんは78年に同病院に移り、現在も漢方医療を続ける。漢方の中で最も重視されるのが、日常の食事で病気を治し、健康を支える「食医」だ。「この思想があったので、新しい食事療法に素直に取り組めました」

 現代の食医は、一人ひとりに「テーラーメードの食事療法を」と訴えている。

(2009年12月15日 読売新聞)

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